二月に降る雪は2014/02/26 21:15

二月に降る雪は
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:下関市豊北町



気がつけば二月ももう終わろうとしている。

振り返れば今年は例年よりも寒い冬だったように思う。

さほど厳しくもない南国の冬ではあるけれど

そろそろ春の訪れが恋しくなってきた、

不謹慎だが寒さに飽きてきたというのが本音なのかもしれない。

二月に降る雪はあっけらかんと明るい空から落ちてくる。

寒いことに違いはないがどこか優しげな名残を惜しむような雪だ。

路傍にはもう小さな野の花がさきがけの彩りを広げ始めている。

光射す時間も少しづつ長くなってきた。

春が来たらどこへ出かけよう…、そんなことを想いながら

僕は最後の雪に向かってシャッターを切る。

Singer2014/01/29 21:44

Singer
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
撮影場所:ルネッサ長門




暗転した舞台の闇にうごめく気配が消えて

一筋の光が降りてくる

光の下にはギター抱えたひとりのSinger

右手の動きに合わせてギラギラと

ギラギラと響くギターの煌めき

魂の底を揺さぶる歌声

そして目を閉じて聴くaudience

もしこの耳がまともに聴こえたならば

僕も目を閉じて聴き入ったかもしれない

だけど僕は目を見開いたまま

友が歌う姿をこころに焼き付ける

そんな聴き方があってもいいはずなんだ

歌声は魅せるもの…

広い舞台の真ん中に

光を浴びてひとり立つ

そんな姿を記憶に重ねながら

僕は少し泣けてきた

歌は顔で歌うもの

ギターは顔で弾くもの

笑いながら言っていた

そんな言葉を思い出しながら

僕は少し泣けてきた

天に向かって2013/10/21 21:20

天に向かって
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
撮影場所:山口市秋穂二島




よく晴れた秋の休日に近くのコスモス畑へ出かけてみた。

この花を見に行く日にはいつも風が吹いている。

今日も風が吹いている。

涼やかだ。

空も抜けるように青い。

コスモスは青い空を目指すように天に向かって花開き

風にゆらゆら揺れるのは決してか弱いからではなく

強い力に折れないしなやかさを持っているから…。

可憐な花一輪はただ可憐なばかりではなく

一瞬の煌めきのために生き抜くしたたかさをも兼ね備え

それでいてそのしたたかさを感じさせることはない。

すごいことだ。

心の弱さを強がることで隠そうとする誰かとは大違いだ。

そうだな、目を覚まして少し風に揺られてみるか…。

臥龍の梅2012/03/21 22:03

妖樹凄艶
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
撮影場所:山口県柳井市余田




河津桜が見頃という情報を得て、休日に県の東部へ車を走らせた。

この日も最近の週末の例に洩れず、朝からどんよりとした曇り空で

ときおり小雨もぱらついて、とても花見日和とは言い難い空模様だった。

車を東へ走らせるにつれてその曇り空がだんだんと低くなってきて

それはやがて春の霧に姿を変え、フロントガラスにまとわりつきはじめた。

そんな景色の中を行きながら、

ふと山の麓にある梅林のことが頭に浮かんで

僕は少し寄り道をしていくことにした。

臥龍梅と呼ばれるその梅林に着くと、

残念ながら思い浮かべていた霧の幽玄を纏った光景は存在しなかったが

目前には、雨にしっとりと濡れた苔むして妖しげな樹形の梅が

満開の花を誇っているのだった。

そしてなりふりかまわず枝を伸ばして株を分け、

生へ執着するように無数の花を咲かせたその姿を見て

僕の浮かれた花見気分などは一瞬でどこかに吹き飛んでしまった。

元来、いのちあるものはその生へ執着するのが自然な姿だろうが、

何百年といのちを繋いで生き長らえてきたものには立姿が美しくないものが多く、

代わりに長く生き過ぎたものの苦悶というか、

哀しみというべきか、そんな業をその異形から感じてしまうのだ。

この後に見た、青空がないとまったく見映えのしない若木の桜とは違い、

背景の曇り空すら自らの演出に呑み込んでしまう老練なしたたかさが

この空間に漂っているように見えるのだった。

錦秋2011/11/13 21:24

錦秋
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
撮影場所:山口県周南市鹿野漢陽寺



11月の声を聞き、毎年楽しみにしているのは秋の彩り。

今年も待ちきれずカメラを持っていつもの場所に出かけた。

今年はなぜだかわからないけど今ひとつパッとしない紅葉だ。

少しがっかりしたが、まぁ、こんな年もあるだろうと池の鯉を撮る。

他の季節にあまり眺めたことのないこの池の鯉、

たぶん、いつもこんな色なんだろうなと思いながらも

これは秋の錦と勝手に決め込んで何枚かの写真を撮ったならば、

傷んだもみじの葉っぱのことなどもう忘れてしまっている。

そして落ち葉の頃に想うのは今年一年の納めかた…。

もうひと月もすれば年の瀬だ。

視野2011/09/13 22:22

視野
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54㎜F2.8-3.5Ⅱ
撮影場所:広島県廿日市市宮島弥山



山に登って見渡せば、広い範囲が見える代わりに沖ゆく船は米粒ほどの大きさだ。

船を近くで見ようと海辺に下りれば、海の広さがわからない。

ときには広い世界を見るのがいい。

そして自分が向かう方向に青空があればなお嬉しい。

ホワイトバック2011/06/30 19:58

梅雨明け間近
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:ドラマチックトーン
撮影場所:山口県長門市油谷向徳寺



ブログのデザインを変えてみた。

そんなことはわざわざ言わなくても一目瞭然…。

これまではブラックバックに白い文字を使っていたのを、色を反転して余計なものを省いてみるとすっきりして涼しげでなかなかいいね。

何よりも文字が読みやすくなった。

これで眠精疲労からくる肩コリが多少でも軽減すればもうけもの。

まぁ、自分のブログなど日に10分も眺めているわけではないけど…。

僕の一日の労働の大半を占めるのがCADによる作図で、これは不思議とブラックバックのほうが疲れが少ない。

その思い込みがあるからブログやホームページも黒背景に白抜き文字でずっと設定を固定してきたのだけど、白い背景に黒文字のほうがはるかに読みやすいじゃない?って、目からうろこが落ちたよう。

白抜き文字は凝視すると滲むんだね。

えっ?歳のせいだって?それはいらぬお世話というもの。

よし、ここはこれでいこう! 余計な装飾をつけず、テンプレートはシンプルに…。

もうひとつのはちょっとだけ涼しげなイラストを入れよう。

次に気が変わるのは秋かな?

それまではこの設定でいこう。

あぁ、でもそのまえにパソコン専用のメガネをつくった方がいいかも…?かなぁ…。

額縁効果2011/06/21 07:00

殿町夕暮れ
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
撮影場所:島根県津和野町殿町


世の中には額縁効果という言葉があるらしい。

詳しくはwebを検索すればいろいろと解説が出てくるので省略するが、ようするに窓越しに見る風景は一幅の絵となりうるということとか、鳥居越しに見る神様は霊験あらたかに感じられるとか、僕はとてもその意味をうまく説明することはできないんだけど何となくそういうことらしい。

例えば京都辺りで古寺の座敷に座って庭園を眺めると、外から見るのとは違って何となく芸術的に見えるのはやはり庭園設計の妙というか、そんなちょっとした心遣いに気がつくと、なるほどなぁと単純な僕なんかはすぐに感激してしまうわけなんだ。

あるいはふるさとの山、石鎚山は山頂そのものが石鎚神社の御神体となっていて、登る前に成就社の拝殿所を訪れるとその建物越しに神々しく山頂が見えるようになっている。つまり拝殿の前で拍手を打って額縁に納まった山頂を拝むのである。

額縁効果とは、なるほどその中に見える対象を実際よりもより美しく、凛々しく、厳かに見せる効果であることは何となく分ってきた。

おもしろいと思ったのは喪服の女性が美しく見えるのも額縁効果のひとつであるという説で、黒い縁取りというものは中身を引き締めて魅力的に見せるということだ。

ただし、中身がそれなりに立派なものでないとその効果は薄いのでは?ということは充分に想像できることで、思うに任せてパシャパシャとやった写真をいくら飾ったところで…。

いやいや、そういう自虐的結末はこの際やめることにしよう。



ファインダーという額縁を覗き込んで外を見れば、限りある視野の外に限りない空の広さが感じられるかも知れず、あるいは限りある視野の向こう側に底なしの奥行きを感じるかもしれない。

パソコンのモニターの黒い縁取りの中には無尽蔵の知識の泉があり、たとえば子規のように「病床六尺」の狭きに生きていても、心が自由であれば無限の宇宙に遊ぶこともできるはずだ。



あぁ、また話が脱線してしまった…。

次々と湧き出でて連なる想いを縁取りの中に綺麗に収め、人様に見てもらうということは存外難しいことなのである。

そしてもうひとつ…、石州津和野の城下町は六月の頃に歩くのがよい。


デジタルフォト2011/06/20 22:30

あじさいデイドリーム
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:デイドリーム
撮影場所:山口県長門市油谷向徳寺


今日の一枚、実は下のエントリーと同じ花を同じ構図でフィルターを替えて撮ったもので、それを後から額装したものだ。

もちろん額装といってもお絵かきソフトで額とマットを描いただけで、

デジタル写真でこういうお遊びが簡単にできることはご存じの通り。

僕は、例えばカメラを持って一日外へ遊びに出かけるとたいてい100枚以上は写真を撮っていると思う。

ではその写真をプリントするかといえば、プリントはまったくしない。パソコンの上で見てせいぜいブログのネタにするのがいいところだ。

OLYMPUSにはフォトパスという投稿サイトがあって熱心に関わればなかなかおもしろいんだけど、

そのうち僕のようなめんどくさがりは社交性の強いこんな投稿サイトにはあまり向かないことに気づく。

そうするとせっかく撮ってきた写真は本人が一度か二度パソコンのディスプレイ上で見るだけで、

あとは撮りっ放しで放置してある写真がハードディスクのほとんどを占領してしまう事態に陥るわけである。

いらない写真は消せばいいのにと思うんだけど、貧乏性なせいかそれもできず

毎年同じような季節に同じような場所に出かけてはせっせと同じような写真を撮り貯めるのだ。

なので、その膨大な写真の中から選んでここに載せる写真くらいは今後額装して出すことにしよう…、かな?(笑)

とりあえずこのエントリーを投稿してみて下の写真と比べてみようか?

と思いながらキーボードを叩いているわけなのだ。



あじさいもよう2011/06/19 18:35

あじさいもよう
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:クロスプロセス
撮影場所:山口県長門市油谷向徳寺



梅雨らしい天気が続いている。

こういう季節なのだからしかたがないこととはいえ、特に週末が雨模様だと一週間頑張ったご褒美をもらい損ねたような気がしてテンションも下がる一方だ。

単純に晴れ好きの僕としてはなんとも鬱陶しい季節だが、ぎらぎらの太陽が顔を出すまでどうにか乗り切らないといけないわけで、土曜日にはあじさいの花を見るために日本海までドライブをしてきた。

雨の似合うこの花、ここら辺りでは今が盛りで、繚乱の様子をカメラに収めては季節の風物詩を楽しんだ。

毎年梅雨入りすれば待ちきれずにあちらこちらへ見に行く好きな花のひとつなんだけど、昨年は7月の連休に出かけた中山道宿場町への旅行でこの花がたくさん咲いていたのを見て印象的だったのを憶えている。

このときは馬籠宿に泊まって古い宿場町を散策して、次の日に汗びっしょりになりながら馬籠峠から妻籠宿まで旧中山道を歩いたのだった。

徒歩の小さな旅の途中に、歩き疲れる頃になると不思議と小さな集落やお休み処が見えてきて、そんな場所にこの花が咲いていたのを憶えていたのが、記憶を呼び戻すきっかけとなったらしい。

もっと鮮明に憶えていることはその旅行がE-P1のデビューとなったことで、トイフォトやラフモノクロームなどのアートフィルターを物珍しげに使いながら撮り歩いたことがまだ記憶に新しい。

そしてその日の観光を終えて徒歩からバス、最後に特急を乗り継いでの帰り道、移動の手段が変わる度にそれまでゆっくりだった時の流れが徐々に速くなってきたように感じられ、名古屋駅に降りたときには江戸時代から一気に現代へ帰ってきたような、まるで時空の旅をしてきたような錯覚に陥ったのだった。

今年もあのあじさいの花は咲いているだろうか? 土曜日はふとそんなことを考えた休日だった。

週明けもまた雨の予報が続いている。