やまのあなた2013/11/05 23:05

錦織の季節
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
撮影場所:山口市徳地町柚野




最近、あるテレビドラマの女主人公が時折つぶやく言葉が気になって少し調べてみた。



山のあなたの空遠く

「幸」住むと人のいふ

噫われひとと尋めゆきて

涙さしぐみかへりきぬ

山のあなたになほ遠く

「幸」住むと人のいふ

         カールブッセ(上田敏 訳)



ドイツの詩人の作らしい。

ドラマのシーンとどう繋がるのかは不明だが

何となく心に残る詩だ。

原文を知らずとも日本の書き言葉の美しさが

何より秋の心情に溶け込んでくるようだ。



山のあなた…、僕は「幸」住むところを見つけたとずっと思っていた。

思っていたというよりは信じ込もうとしていたというほうが当っているのかもしれない。

ひょっとしたら…、

薄々と感じていたように、それは夢まぼろしであったらしく

僕はなほ遠くへ向かってまた旅立たねばならないようだ。

「幸」住むところを見つける旅は果てしなく

道半ばで倒れるかもしれず…。

それでも黙々と歩き続けねばならないのが

人の生きざまなのかもしれない、と想う秋の夜なのである。

梅雨明けの空の下2012/07/18 22:39

梅雨明けの空の下
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
撮影場所:倉敷美観地区





やたらと暑い日が続くなと思っていたら、いつの間にか今年も梅雨は明けていた。

明けた途端の猛暑である。

昨年ほどではないにしても、今年も梅雨明けが早かったような気がする。

これほど明けるのが早くなくてもいいから、

もう少し穏やかな降り方はできないものかと

恨みごとのひとつも言いたくなるような末期の豪雨だった。

この7月の三連休に帰省を兼ねて僕は小さな旅行に出かけた。

昔住んでいた街を訪れてみたり、何年か前に訪れた街を再訪してみたりと

いつもながら時間に追われるような慌ただしい旅程だったが

少しの間、楽しい思いをさせてもらった。

最後に訪れた倉敷の古い街並みには、数年前の冬に来たことがあって

そのときに見られなかったのは当然のことながら倉敷川沿いにある柳の青葉で

今の時季、柳に青葉があるというだけで他のものも違った色合いに見えてくる。

同じ道筋を歩いても季節の数以上に街並みの表情が存在することを

僕はあらためて知らされるのだった。

梅雨の最後の大雨が、大気の塵をすべて洗い流したかのように

見上げた旅の空は澄んでいた。

だが暑さが尋常ではない。

少し歩くだけで絞られるような汗の量だ。

この暑さ、澄んだ空気が何とか写真に写らないかと

カメラの設定をいろいろといじってみたが、やっぱり思うようには写らない。

まぁ、毎度のことながら考えているのはその程度のことだ。

my boom2012/07/02 22:13

今はまだ…
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
アートフィルター:ポップアートⅡ+ピンホール
撮影場所:周防大島片添ヶ浜




僕はときどきこのブログに

「E-P1の出番が少ない」という意味合いのことを書くことがある。

本当にそう思っているのだけど

カテゴリーを見ると他のカメラに比べてエントリーの多さは断トツだったりする。

手持ちのおもちゃのなかでどれを持ち出して遊ぼうかというのは

休日の朝、一番先に考える実に悩ましいテーマなのだ。

バイクはまず走りに行きたい場所によってわりと簡単に決められるので

どちらに乗るかで、それほど悩むことはない。

何といっても二台しかないので「どちらか」を決めればよいだけのことだ。

カメラは…、今のところ主力が3台だから、悩むほどのことはないはず…、

なんだけど、例えば写りの良さを言えばたぶんE-5が一番、XZ-1とE-P1はいい勝負、

機動力は圧倒的にXZ-1、でも望遠とマクロは断トツE-5、

持ってて楽しいのはE-P1あるいはGX200も捨て難い、

都会で買ったE-P1専用のカメラバッグはちょっとおしゃれで気に入ってるし、

ストラップを腕にぐるぐる巻きつけてわしづかみで持ち歩くE-5も好きだし、

もちろん、そんなE-5のファインダーをのぞきながら

思ったところにスッとピントが合うのはこの上なく快感だ。

で、結論として最近のmy boomは45mmF1.8を装着したE-P1…。

これが使用頻度の多いお気に入りのシステムのようだ。

特にあじさいの季節はこの程度の中望遠をよく使う。

それなのに今日の一枚は12-50㎜なのである。

広角側が2mm広く使えるこのズーム、万能なのでいつもバッグの中に入っている。

写りは凡庸という評価だけど、僕はこれくらい写れば何も文句のない人で、

だけど、同じ12mmで撮るなら

気持ち的に12mmF2.0は欲しいなぁと、すごく欲しいなぁと思ってる。

これはね、例えば1回も出すことはなくても

300km出るバイクに乗ってるんだぜと思える幸せと同じなんだ。

ところで新し物好きの僕がなぜかOM-D E-M5はスルーだった。

全部入りの最新型で評判もいいのにスルーだったわけは…、

「だって名前が長くてカッコ悪ぅ~」なんだもん…。

欲しくてしかたがなかったんだけど、名前が嫌だった。

こんなふうに妙なところにこだわるのがオヤヂになった証拠なのだ。

と、わかっていても許せないのだ。

そういえばご存じのことだろうけどmy boomというのは造語であるらしく

このまま英語圏では通じないそうだ。

boomというのはあくまでも大勢の間で流行っていることを指すらしい。

でも僕はmy boomという言葉、意外と好きなのだ。

このブログの記事みたく思いがけない方向へ進んでゆく取りとめのない文章と同じように

僕の興味、あるいはお気に入りなどそのときの風向きしだいで

その行く末が自分でも読めないのがちょっと楽しいじゃないか。

通院日2012/06/15 23:28

水無月、水の景
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
撮影場所:長門市油谷向津具半島




人間、半世紀も生きていれば身体のあちこちにガタがくるものらしく

かく言う僕も例外ではない。

で、どこも悪くないのに月に一度薬をもらいに病院へ行くわけである。

「どこも悪くないのに」というのはまったく本人だけの思い違いであって

どこかが悪いから薬を飲まなければならないわけで

でも、僕の心情としては月に一度、貴重な土曜日の午前中を

通院に充てなければならないのが癪なのである。

薬を飲みはじめるきっかけとなったのが年に一度の健康診断、

今年も5月の終わりに受けて、先日その結果が返ってきた。

身長が3mm伸びて、体重が300g減って、腹囲が1mm縮んでいた。

ふふふ…、イケメンになりつつあるな。

毎年、結果が返ってくるまでは「悪い病気が見つかったらどうしよう」

などと気の小さい僕はかなり気になったりするのだけど

まず、前年とそれほど変わらない…、

これはいいところも悪いところも含めての話だ…、

そんな数値を目にするとたちまち安心してしまって、持病の生活習慣病を改善すべく

せっせと薬をもらうためにまた通院するわけである。

僕はすでに不治の障害を抱えていてこれについてはまったく治る見込みはない。

本人はけっこう辛い目に遭っているのだが、周囲にはそう深刻なものとは見てもらえず

まぁ、命を取られるようなものではないので、生涯付き合う覚悟はできつつある。

願わくば他の部分が年相応に健康でありますようにと祈るのみだ。

年相応でいいのだ。

「どこも悪くないのに…」とぶつぶつ文句を言っているうちが幸せというものなのである。

初夏の頃2012/06/05 22:14

人生、初夏の頃
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
アートフィルター:クロスプロセス
撮影場所:岩国吉香公園




ずいぶんと間が空いてしまった。

4月にひとつ記事を書いたきりで5月が丸ごと欠落している。

絵日記帳として使っているメインのブログには順調に記事が増えて…、

と、いうことはリアルな日常は まずまず充実しているということだ。

なのにこちらのブログに閑古鳥が鳴いているのは

例えば、E-5やXZ-1を持ち出す機会が増えれば

E-P1は引き出しの中で留守番をしている時間が多くなるのと同じ理屈だ。

そしてしばらく放っておいた後に、無性にE-P1を使いたくなるというのも

このブログの扱われ方と似ているところであり、

僕自身、どちらかといえばこちらの日記帳のほうに愛着を感じている。

この日記帳を書きはじめた頃、毎日のように筆を走らせた時期が相当期間あった。

そしてぱったりと更新しなくなったり、思い出したように何日か連続で日記を投稿したり…。

欲しくて仕方がなかったおもちゃを手に入れたときからの

そのおもちゃの扱われ方とまるでそっくりじゃないか?

だから、このブログは更新しなくても僕のお気に入りの日記帳であることに変わりはない。

考えることなく気ままにシャッターを切れるスナップのように

ここには人に媚びることない自分の言葉を綴ることができるから…。

春一番に揺れて…2012/03/18 10:27

梅風鈴
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
撮影場所:防府天満宮




週末の天気予報はこのところずっと雨…。

かと思えば実際にはほとんど降らなかったり、青空が少しのぞいたり…。

天気予報なんぞに一喜一憂するのはもうやめようと思いながらも

情報の渦のなかで揉まれているような生き方はもう身体に沁みついてしまっている。

春一番が吹いた次の日の休日、近くの天神様の梅の様子を見に行ってみると

例年になく長かった冬の鬱憤を晴らすような春爛漫が僕を迎えてくれた。

毎年訪れる枝垂れ梅の園の中でこの季節だけは

薪を背負った二宮金次郎さんの像も何だかそわそわしているように見える。

僕はと言えば…、

もう花の写真を撮るのに夢中、というよりは

カメラというお気に入りのおもちゃで遊ぶのに大忙しだ。

超合金のロボットをガチャガチャと弄る子供のように

あーでもないこーでもないとレンズを取り替え、花の周りをぐるぐると回り…。

昨日の春一番の名残のような強い風がときおり吹き抜けてゆく。

なぜだかいちりんしか花のついていない枝が

風に吹かれてゆらゆらと、ゆらゆらと揺れて僕を誘う。

誘われるがまま、僕はシャッターを切る。

家に帰ってパソコンのモニターに映し出されたその梅の枝が

一瞬揺れたように見えたのは僕がその風に吹かれてきたから…。

百花繚乱の季節はもうそこまで来ている。

置き土産2012/02/07 21:46

置き土産
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
撮影場所:防府市楞厳寺山山頂




長い間ブランクのあった山歩きをまた始めてみることにした。

今度は気負わずに地元の低い山をのんびり歩いてみようと思う。

天気の良い休日に少しだけ朝寝坊をして「ちょっと行ってみるか?」

と軽い気持ちで出かければ足取りも軽くなるというものだ。

この日も家の窓から見える地元の低山の登山口に立ち、カメラを首からぶら下げて歩きはじめた。

しばらく登って景色の良い大岩に腰掛けて休憩していると何やら賑やかな一行が近づいてきた。

麓の高校の生徒さんが部活のトレーニングを兼ねて登ってきたようで、

元気の良さではとても敵わないので道を譲って先に行ってもらうことにした。

ずいぶん遅れて頂上を踏んだ時に彼女たちは思い思いに景色を眺めたり写真を撮ったり…。

屈託のない若さが眩しく、また羨ましくもあり、

僕は少し場違いなところに立たされたような戸惑いを感じながら身を持て余し、

やがて彼女たちが先に下りて行ってその場が急に静かになったときには

正直ほっとしたような妙な心持ちだった。

そして占領されていた景色をひとり占めするべく大岩のところへ行ってみると

思いがけず微笑ましい置き土産がそこにはあったのだった。

何がいいって?

新しいレンズの試し撮りにはおあつらえ向きの被写体じゃぁないか…。