冬が来る前に2013/10/29 21:19

冬が来る前に
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8
アートフィルター:ジェントルセピア
撮影場所:下関市豊北町角島牧崎




季節外れの台風が去った後、

急に温度を下げた秋風が冬を迎える準備をしなさいと告げているようだ。

つい最近まで少しだけ残っていた夏のなごりも完全に消えてしまって

風の冷たさに敏感なバイク乗り達はもう一足先に冬を感じている。

思えば暑いとか寒いとか雨は降るなとか台風来るなとか

僕はどうにもならない天気に文句ばかり言っているような気がするが

立ち直れないほど自然に打ちのめされたことはない。

無事であることのありがたさは災害の報道を見るたびに思うことで

生涯を通じて無事であり続けるということは

ある意味奇跡に近いことではないかとも思える。

そんなことを考えながら出かけた秋の海は

台風の余波なのだろうか、打ち寄せる波が岩に砕けて白いしぶきをあげていた。

が、空は青く晴れ渡り、灯台が見えるこの岬には恋人たちが逢瀬を楽しんでいる。

その幸せがいつまでも続けばいいねと祈りながら僕はシャッターを切る。

冬が来る前のわずかな時間を惜しみながら僕はバイクを走らせる。

この秋が終わりを告げる頃、真冬の寒さに堪えられる強さを

きっと僕は手に入れているに違いない。

きっとそうあることを願いながら…。

日常があるという幸せ2011/04/07 21:20

日常があるという幸せ
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL ED 70-300mmF4.0-5.6
アートフィルター:ジェントルセピア
撮影場所:山口県山口市秋穂




僕はときどき普段の暮らしを飛び出して非日常的空間に身を置きたくなる癖がある。

それは例えばテントを担いで山に登ったり、あるいはバイクで山道を走ったり、まぁ、簡単に言えばプチ冒険みたいなものなんだけど、若い頃からふらっとそんな小さな現実逃避を繰り返してきた。

2~3日の間非日常空間を楽しんでは現実へ帰り、遊んできたという事実を生きるエネルギーとして使い、エネルギーが切れればまた現実を離れて魂を開放する、そんなことを繰り返しながら今まで生きてきた。

それは何も僕だけに限ったことではなくて、形は違っても同じようなことをして生きている人は多いと思うんだ。

ときに煩わしく逃げ出したくなるような日常、単調で退屈な日々の暮らしだけど、実は2~3日そこを離れると何故か戻りたくなるもので、出先でいくら良い景色に出会おうと素晴らしい夜明けを迎えようと、ずっとそこに身を置きたいとは思わないものなんだ。

山の中を彷徨っていてふとコンビニが恋しくなったり、街の喧騒が懐かしく思えたり…、

そんな感情が湧きおこるのは、それは帰るべき日常があるという幸せを思い出すからだと、本当はもうずいぶん昔から気がついていた。

今、理不尽に日常を奪われた人々がこの国には大勢いて、どのような心持ちで日々を過ごしているのだろうかと思うと心が痛む。

これは決して他人事ではなく、考えてみれば2年続きの豪雨災害も何年か前の台風高潮災害も、物理的にわずか数百メートル住んでいる場所が違えば巻き込まれて可能性が高い。

そんなことを思えば、今ある日常というものはとても貴重で大切にすべきありがたいものだとあらためて考えてしまうのである。

そんな愛すべき日常があるという幸せに僕はもっと感謝しなければいけないと思う。