時の流れ2014/03/19 23:06

ほのか
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL ED 50mmF2.0 Macro
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:山口県萩市萩往還梅林公園




忙しさに追われ日常が川のように流れてゆく

寒さが和らいできたと思えば梅が咲いたという便りを聞き

こころにゆとりを持てぬままに早咲きの桜の開花を知り

そんなふうに大切な何かを時の流れに置き去ったまま日々を過ごす

ふと気がつけばもう百花繚乱の季節まであとわずか

このままではいけないと手に入れた僅かな時間を

自分だけのために自由に使おうとカメラを持って外に出てみると

いつもの年と変わらぬ春の風景がそこにはあった

写真を撮るということは季節を持ち帰るということだ

毎年変わらずに訪れる季節を持ち帰りパソコンのモニターで眺めて

この春、初めて一息ついたような心持ちになった

写真を撮るということはある意味流れゆく時を止めるということだ

手を延ばしても届かない流れの早さに追いつくためにシャッターを切り

ようやく手に入れた生きている証を無造作にメモリーの中に放り込み

後でゆっくりと楽しむつもりが思うままにはならず

そんなふうに貯め込んだ時の流れの断片が幾千万の蓄積となり

その蓄積そのものが我が人生であるかのような錯覚を起こす

一年がこんなに早く過ぎてゆくようになったのはいつの頃からだろう

寝る前の僅かな時間に僕はそんなことを考える

二月に降る雪は2014/02/26 21:15

二月に降る雪は
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:下関市豊北町



気がつけば二月ももう終わろうとしている。

振り返れば今年は例年よりも寒い冬だったように思う。

さほど厳しくもない南国の冬ではあるけれど

そろそろ春の訪れが恋しくなってきた、

不謹慎だが寒さに飽きてきたというのが本音なのかもしれない。

二月に降る雪はあっけらかんと明るい空から落ちてくる。

寒いことに違いはないがどこか優しげな名残を惜しむような雪だ。

路傍にはもう小さな野の花がさきがけの彩りを広げ始めている。

光射す時間も少しづつ長くなってきた。

春が来たらどこへ出かけよう…、そんなことを想いながら

僕は最後の雪に向かってシャッターを切る。

春幾年2013/03/17 09:06

春幾年
OLYMPUS STYLUS XZ-10
i.ZUIKO DIGITAL ED4.7-23.5mmF1.8-2.7
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:防府市向島蓬莱桜




昨日、僕のところに春がきた。

気がつけば桜咲く季節になっていた。

季節が終わりを告げるために幾度か表情を変えて

暖かくなったと思えば寒さがぶり返し、またその逆を繰り返し

知らずのうちに春は来ていたようだ。

そして昨日見た古い桜は、すでにもう盛りを過ぎて花吹雪を纏っていた。

この桜は「送る桜」…。

校庭にあって幾年の子供たちの巣立ちを祝福してきたことだろう。

そしてもう少しすればここにも「迎えの桜」が花開く。

桜が咲いたから春が来たのではなく、

春が来たから桜が咲いたのだということを

僕たちは忘れてしまってはいないだろうか?

人生の区切りがつくたびに桜の花の祝福を受けてきたことを

僕たちは忘れてしまってはいないだろうか?

今年もしだれ桜のトンネルをくぐって八幡様にお参りに行くことにしている。

いくとせの春がまた通り過ぎてゆく。

夏待ちの風2012/06/08 22:20

夏待ちの風
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:岩国吉香公園






新緑爽やかな5月が終われば、6月は夏待ちの季節だ。

愛機で風に吹かれながら走る道も、この時季は好んで海沿いになることが多く

本当は鬱陶しい梅雨など飛び越して

あっけらかんと太陽が照りつける夏が来て欲しいとバイク乗りの僕は思っている。

反面…、バラが盛りを過ぎたと思ったら咲きはじめた花菖蒲を追いかけ、

そのうちには雨にしっとり濡れるあじさいもいいねえと

アマチュアカメラマンの僕はこの季節も思うほどきらいではない。

パソコンの画面を見るのに疲れて外に出たとき

感情の起伏のないサラリーマン生活を日常としている僕の心に

季節を告げる風が吹く。

ん…?、どこかで聴いた歌のセリフだな。

やっぱり終わりのない物語を創るのは巡る季節の役割だ。

毎年、同じような風景を目にしてその季節を感じ

そしてひとつづつ歳を積み重ね…、これが本当にささやかな幸せだと、

いや、幸せはささやかなのがいいのだと

いつの頃からだろう、

通り過ぎる季節を愛おしく思えるようになった頃から僕はそう思うようになった。

静かに雨の降る季節もいい…。

白鳥の湖2012/02/19 22:45

白鳥の湖
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL ED 70-300mmF4.0-5.6
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:山口市徳地町大原湖畔




ときおり雪が舞う休日だった。

バイクに乗って雪道を走ろうという予定は朝のあまりの寒さに敢え無く却下…。

ならばせっかくの雪だから雪景色を撮りに行こうと、

本気モードのカメラを持ち出したまではよかったが、

俄かカメラマンがこれといった目標も定めないままうろうろしたところで素晴しい絵など撮れるわけもなく、

道路に飛び出してきた猿を撮ってみたり湖に浮かぶ白鳥を撮ってみたり…。

いつも訪れる冬の湖はまだ少し雪化粧が残っていて厳寒の趣を見せている。

そんな水面を一羽の白鳥がきょろきょろしながら滑って行くのをしばらく眺めていた。

本当にきょろきょろと辺りを見回している様子が少しおかしくて

そこだけ厳しい冬の景色が緩んでいるように見えた。

僕にはもうわかっている。

春遠からじ…。

ごまめ2011/06/24 22:41

雨上がりの午後
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL ED 50mmF2.0 Macro
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:山口県長門市油谷向徳寺

ごまめというのはおせち料理に入っているあの小さいお魚、たつくりのことだ。

この言葉は諺にもふたつみっつ使われていて、「ごまめの歯ぎしり」は力のないものがいたずらに憤慨し悔しがることのたとえとして使われ、 「ごまめの魚交じり」とはつまらない者が、りっぱな人々の中に交じって一人前の顔をしていることのたとえだそうだ。

ようするにごまめとは力のないつまらない者のことなのだ。

僕たちが子供の頃には大きい子も小さい子も近所の子供たちが大勢で一緒に遊ぶのが当たり前の光景だった。

鬼ごっこやかくれんぼなど、そんな外遊びをするとき小さい子供はつかまっても鬼にならないという特別なルールがあって、関西ではそんな小さい子のことを「ごまめ」と呼ぶらしい。

他に「みそっかす」とか「あぶらむし」とかいう呼び方もあるそうだ。

僕たちは確か「はいのこ」と呼んでいた記憶があるんだけど、ネットで得たウンチクによるとこれはふるさと四国の呼び方ではなく、三重県に似たような呼び方があるようだ。

全国にいろいろな呼び方があるということは、この「ごまめ」ルールは子供社会にごく普通に存在するものだったようで、「ごまめ」になった小さい子は、年上の子どもたちの優しさに包まれて元気に走りまわっていたのだろうと懐かしく思い出す。



そしてこの「ごまめ」…、先に書いた諺のたとえそのものなんだなと思う。

一人前の顔ができるのは周りの人たちの寛容と優しさとちょっぴりの憐れみがあるから…。

子供社会の中でならいい。「知らない」、「気がつかない」という無邪気であれば、それはかわいいものなんだ。

が、大人社会で「ごまめ」と決められ、その事実を「知ってい」ながら「知らない」という無邪気を演じる破目に陥ったとしたら…。

一人前の顔はしてもいいけど、それは「ごまめ」であるという事実を前提に許されるものなんだ。

「僕がごまめだということはとっくに知っているんだぞ。」と主張したとたんに、たぶん居場所がなくなるのである。

でもそうなってもできるのはせいぜい「ごまめの歯ぎしり」くらいのことしかないのだ。








春・花・夢2011/03/21 21:41

春・花・夢
OLYMPUS XZ-1
i.ZUIKO DIGITAL ED6-24mmF1.8-2.5
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:山口県防府市向島




今年も卒業生を送り出すために校庭の一本桜が咲いた。

例年よりも一週間ほど花期が遅れたらしいが変わりない姿を見ることができた。

毎年、桜の季節におまじないのように唱える言葉があって、

それは「今年も無事に春を迎えることができました。」という感謝の言葉…。

同じ言葉を呟き、少しの後ろめたさすら感じながら

その無事は決して保証されたものではないということを今年ほど痛烈に感じたことはなかった。

そしてその無事のありがたみを抱きしめて僕はいま思う。



無事に春を迎えられた者はいつも以上に頑張って頑張って仕事をして

一生懸命物を作って一生懸命お金を稼いで義援金も送って税金も払って

いま動けない人たちを応援しなければ…。

かの地に復興の槌音が響きはじめるまでこの国を支えなければ…。

かの地にふたたび穏やかな春が訪れるのを見届ける日まで…。



三寒四温2011/03/02 21:14

それぞれの春
OLYMPUS XZ-1
i.ZUIKO DIGITAL ED6-24mmF1.8-2.5
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:山口県萩市萩往還梅園




前の週末は天気が良く気温も上がり「さぁ、これで春到来だ。」と喜んだのも束の間、今日は午後からすーっと寒くなり明日は雪の予報が出ている。

三寒四温という言葉があるように、この季節の変わり目は他の季節のそれよりも気を揉ませる時季であることは確かだろう。

ところでこの三寒四温という言葉、もともとは中国北東部や朝鮮半島の冬季気候の現象を表す言葉だそうだ。

冬から春に移行する際に暖かくなったと思えばまた寒さが戻ったりという意味合いで使うのは本来の使い方ではないらしい。

逆にいえばこんな言葉を口にしなければならないほど春という季節は待ち遠しいものなのである。

天気予報を恨めしげに眺めてみてもどうなるはずもなく、しかたがないから移り変わりが思うように進まない季節のもどかしさを楽しみながらもう少し待ってみるか…。



THRILLER FANTASY MUSEUM2010/12/15 20:12

THRILLER FANTASY MUSEUM
OLYMPUS E-P1
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:ファンタジックフォーカス
撮影場所:佐世保市ハウステンボス




夜になると急に人が増えたように感じた。

夕陽を見送って辺りに闇の帳が下りてくると、華やかなパレードがイルミネーションを点灯しながら進んでゆく。

今夜は夜遅くまで遊ぼう。

光の王国への扉はいま開いたばかりだ。

コスモス畑でつかまえて2010/10/17 22:15

コスモス畑でつかまえて
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL 17mmF2.8
アートフィルター ファンタジックフォーカス
撮影場所 山口市秋穂



秋になればお約束のコスモス畑。

今日も一面に咲くコスモス畑を見つけて車を停めた。

コスモス好きの君はさっそくお気に入りのカメラを手に、熱心に写真を撮り始めたね。

僕も負けずに頑張ったけど、いつもと同じでやっぱり飽きるのは僕の方が早かった。

気がつけば、君はどんどん畑の奥の方へ入り込んでいたんだ。




コスモス畑でつかまえて






さぁ、もうすぐ日が暮れる、そろそろ帰らないかい?