ギター2013/04/22 23:17

赤い夜
OLYMPUS STYLUS XZ-2
i.ZUIKO DIGITAL ED6-24mmF1.8-2.5
アートフィルター:クロスプロセスⅡ+ホワイトエッジ
撮影場所:山口市湯田温泉




入学式の頃まで花がもたなかった桜はもう青々と新しい葉をつけて

そうなると途端に人々の関心を集めることもなくなり、

名所と呼ばれる場所にもまた静けさが戻ってきている。

春の花は次から次へと主役交代しながら、気がつけばゴールデンウィークもすぐそこだ。

そんな季節のとある日に友人から一本のギターを譲り受けた。

飴色のボディが目に懐かしい。

さっそく錆びた弦をはずしてボディを磨いて手入れをした。

弦を張り替えてうろ覚えのコードを押えて鳴らしてみる。

思い出せば高校時代、成績アップと引き換えにねだって手に入れた安物のモーリスは

指先の皮が何回か剥けて硬くなるまで毎日抱えない日はないくらい

僕の青春とともにあった。

独り暮らしに戻った寂しさを紛らわせるように二本目のギターを手に入れたとき

すでに僕の耳は悪くなっていたのだが、まだ弾き語るのに障りがあるほどではなかった。

それから少しずつ、だが確実に聴力が落ちていって

音階の区別ができなくなり、当然チューニングもできなくなり

補聴器を通した、記憶の中にある音色と大きくかけ離れて歪んだ音に堪えられなくなって

僕は衝動的に二本目のギターを人にあげてしまったのだった。

そして今、久しぶりに爪弾くギターの音色は…、

やっぱり僕の記憶の中にある音色とは別物だった。

ここを弾けばこの音が出るはずという音色は聞こえてはこなかった。

ある程度以上高い音はいくら耳を澄ませても聞こえてはこなかった。

やっぱり…。

でも、僕はもう一度、ギターを抱えてみようと思う。

すべてを諦めて無音の闇の住人になる前に

僕はもう一度、ギターを抱えてみようと思う。

その音色が沈黙という音に変わるまで…。

初夏の頃2012/06/05 22:14

人生、初夏の頃
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mmF3.5-6.3EZ
アートフィルター:クロスプロセス
撮影場所:岩国吉香公園




ずいぶんと間が空いてしまった。

4月にひとつ記事を書いたきりで5月が丸ごと欠落している。

絵日記帳として使っているメインのブログには順調に記事が増えて…、

と、いうことはリアルな日常は まずまず充実しているということだ。

なのにこちらのブログに閑古鳥が鳴いているのは

例えば、E-5やXZ-1を持ち出す機会が増えれば

E-P1は引き出しの中で留守番をしている時間が多くなるのと同じ理屈だ。

そしてしばらく放っておいた後に、無性にE-P1を使いたくなるというのも

このブログの扱われ方と似ているところであり、

僕自身、どちらかといえばこちらの日記帳のほうに愛着を感じている。

この日記帳を書きはじめた頃、毎日のように筆を走らせた時期が相当期間あった。

そしてぱったりと更新しなくなったり、思い出したように何日か連続で日記を投稿したり…。

欲しくて仕方がなかったおもちゃを手に入れたときからの

そのおもちゃの扱われ方とまるでそっくりじゃないか?

だから、このブログは更新しなくても僕のお気に入りの日記帳であることに変わりはない。

考えることなく気ままにシャッターを切れるスナップのように

ここには人に媚びることない自分の言葉を綴ることができるから…。

夜の季節2011/12/18 22:37

後ろ姿は気持ちを語り…
OLYMPUS E-P1
M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8
アートフィルター:クロスプロセス
撮影場所:北九州市小倉リバーウォーク




12月は夜の季節…。

今年もそんな季節がやってきた。

今年もわくわくしながら夜の街を歩く。

僕の後ろ姿もそんな気持ちを語っているだろうか?

あじさいもよう2011/06/19 18:35

あじさいもよう
OLYMPUS E-5
ZUIKO DIGITAL 14-54mmF2.8-3.5Ⅱ
アートフィルター:クロスプロセス
撮影場所:山口県長門市油谷向徳寺



梅雨らしい天気が続いている。

こういう季節なのだからしかたがないこととはいえ、特に週末が雨模様だと一週間頑張ったご褒美をもらい損ねたような気がしてテンションも下がる一方だ。

単純に晴れ好きの僕としてはなんとも鬱陶しい季節だが、ぎらぎらの太陽が顔を出すまでどうにか乗り切らないといけないわけで、土曜日にはあじさいの花を見るために日本海までドライブをしてきた。

雨の似合うこの花、ここら辺りでは今が盛りで、繚乱の様子をカメラに収めては季節の風物詩を楽しんだ。

毎年梅雨入りすれば待ちきれずにあちらこちらへ見に行く好きな花のひとつなんだけど、昨年は7月の連休に出かけた中山道宿場町への旅行でこの花がたくさん咲いていたのを見て印象的だったのを憶えている。

このときは馬籠宿に泊まって古い宿場町を散策して、次の日に汗びっしょりになりながら馬籠峠から妻籠宿まで旧中山道を歩いたのだった。

徒歩の小さな旅の途中に、歩き疲れる頃になると不思議と小さな集落やお休み処が見えてきて、そんな場所にこの花が咲いていたのを憶えていたのが、記憶を呼び戻すきっかけとなったらしい。

もっと鮮明に憶えていることはその旅行がE-P1のデビューとなったことで、トイフォトやラフモノクロームなどのアートフィルターを物珍しげに使いながら撮り歩いたことがまだ記憶に新しい。

そしてその日の観光を終えて徒歩からバス、最後に特急を乗り継いでの帰り道、移動の手段が変わる度にそれまでゆっくりだった時の流れが徐々に速くなってきたように感じられ、名古屋駅に降りたときには江戸時代から一気に現代へ帰ってきたような、まるで時空の旅をしてきたような錯覚に陥ったのだった。

今年もあのあじさいの花は咲いているだろうか? 土曜日はふとそんなことを考えた休日だった。

週明けもまた雨の予報が続いている。